そんなときには、泣いたっていいんです。
つらくても泣けずにがんばっているあなたに、ただただ泣いた子どもの頃を思い出させる絵本です。
『ないた』/中川 ひろたか
ないた |
■作者 中川 ひろたか
■絵 長 新太
■発行所 株式会社金の星社
■日本での第1刷 2004年9月
あなたは、どんなときに泣きますか?
つらいとき、悲しいとき、うれしいとき……。
普段、泣くことについて考える機会はあまりないですよね。
『ないた』には、子どもが泣く場面がたくさんでてきます。
「こんなに、いろいろな場面で泣くことがあるんだなぁー」と思うでしょう。
たんたんと進む短い文と長新太さんの素朴で昭和チックな絵に、心がほっこりする絵本です。
「泣く」行為は、一種のガス抜き効果があるんですね。
涙は感情を浄化する力があるといわれています。
絵本につづられた言葉に、「こんなことでわたしも泣いたなぁ」と過去を振り返ると、自分の成長や変化に気づき、自分を知ることができます。
自己受容(自分を受け入れること)のきっかけにもなる絵本です。
泣きたいほどつらいことがあったときには
涙はストレス成分を体の外に流してくれます。
職場や人前では涙をみせずにがんばってきた自分を、なぐさめてあげることも必要ですね。
家に帰ってきて、温かいミルクティーなどを飲みながら『ないた』を読んでみてください。
あなたのつらかったことは何ですか?
「自尊心を傷つけられたから」「あんなことを言われるのが嫌だった」。いろいろ思い浮かんでくることはありませんか。それは、あなたが大切に思っていることを否定されたからかもしれません。
なぜつらいのか、何に心が穏やかではなくなったのかがわからないときには、自分の子どもの頃のアルバムを開いて過去を振り返ってみましょう。
「あの頃は何を考えていたのかな?」と思い返してみるのもよいですよ。
子どもの頃に大切にしていたことを思い出したならば、それを大事にしていってくださいね。
ハイスピードな時の流れの中で、自分の大切なことを忘れずにいられたならば、小さな幸せに勇気づけられることもあるはずです。
あなたの心に、絵本が寄りそってくれますように♥