「自分らしく生きる」って本当は厳しい言葉かもしれません

「自分らしく生きる」という言葉は、自由にのびのび暮らしていけるという希望を与えてくれます。
しかし、「自分らしく生きるとはどういうことなのかが、わからない」という人もいます。

自分らしく生きるとは、ありのままの自分を知り、その時々の感情をコントロールしながら、自分の力で行動することです。

「ありのままの自分を知る」には、「ありのままの自分を受け容れる」ことが必要なのです。

とはいえ、自分を受け容れるのは、なかなか難しいものですよね。

本記事では、「自分らしく生きるためには何をすればよいのか」「ありのままの自分を受け容れるにはどうしたらよいのか」についてお伝えします。

 
nanami
自分らしく生きるためには「自分を知ること」が最初の一歩です。記事の中に、自分を知るためのワークコーナーがあります。ワークを通して自分を知り、自分らしさとは何かを確認してみましょう。

「自分らしい」とはどういうこと?

「自分らしい」とは、いつわりのない本来の自分の姿をいいます。

あなたは、どのような自分が「自分らしい」と思いますか?
少し、例を挙げてみます。

  • 自分の好きなことをしているとき
  • 自分の思った通りに行動しているとき
  • 良いところも悪いところも、さらけ出せているとき
  • 自然体でいられるとき

自分らしさを考えてみると、普段、抑制していることが「自分らしいことだった」という人がいるかもしれませんね。

自分を抑えているのは、あなたに役割や立場があって、相手がいるからなのです。
社会の中で生きていくために、協調しているのですね。

ですから、自分を抑えることは、共存するためには必用であり大切なことでもあるのです。

※役割については、こちらの記事に書いてありますので、ご参照ください。<<【ライフキャリアとは?】キャリア支援が求められている理由と必要性

仮面をかぶった女性

私たちは日常生活を営む上で、仮面(ペルソナ)をつけてさまざまな役割をこなしています。
仮面をつけるのは悪いことではありませんが、仮面をつけた自分と仮面を取った自分のギャップが激しすぎると、心が疲弊してしまうことがあるのです。

たとえば、協調している心の裏には、このような感情があるかもしれませんね。

  • 自分の好きなことができないから、つまらない
  • 自分の思った通りに行動できなくて、いらいらする
  • 自分の良いところも悪いところも、他人にさらけ出すことができずに我慢している
  • 自然体でいられなくて、疲れる

人前で、必要以上に仮面をかぶった自分を演じることに疲れていたとしたならば、「自分らしく生きる」「ありのままの自分」というキャッチコピーは救いの言葉かもしれません。

「自分らしく振る舞っていいんだ」と、心が解き放たれた気持ちになるでしょう。

しかし、「自分らしさ」とは何なのかがわからないままに、「自分らしく生きる」のは簡単なことではないのです。

自分らしくとは、「とりあえず他人と違った格好をしておけばいいかな」とか「私は協調性がないから協力しない」と我を通すことではありません。

「自分らしく」とは「自分のありのままを受け容れる」ことです。
自分の良いところも悪いところも知った上で、「ゆずれない自分の価値観とは何か」を知って行動しなければ、自分らしく生きることは難しいのです。

「自分らしく生きる」と「わがまま(=自分の思いのまま)に生きる」の違い

 
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自分らしく自分の思いのままは、同じではありません。

自分の感情のまま好き勝手に行動したり、自分の感情をストレートに他人にぶつけるのは、わがままですね。

自分らしく生きるには、「自分はこういう思い(=価値観)を持っている。だから、〇〇については自分の思いを大切にしたい」ということを相手に誠意をもって伝えられること。そして、自分だけでなく相手の感情もくみ取って行動できなければならないのです。

ですから、自分の発言や行動には、責任を持つ必要があるのですね。他人に迷惑をかけずに、自分の力で自分の生き方を決めていくからこそ、自分らしいといえるのです。

自分らしく生きるためには何をすればよいのか

自分らしく生きるためには、まず「自分を知ること」です。

自分を知る方法には、「自己概念を知る」ことや「他人に教えてもらう」方法などもあります。
ここでは、自分ひとりでもできる、「自己概念を知る」方法をお伝えしていきます。

あなたは、生活の中で不快に感じたり、この考え方には賛成できないなと思ったりすることはありませんか?

「違うな」と思うのは、あなたの自己概念とその出来事が一致しないからですね。

自己概念とは、「自分がどんな人間であるかということについて抱いている考え」のことです。
普段、自分について考える機会はあまりないと思います。

この機会に、自分がどのような考えを持っているのかを確認してみましょう。

【自分を知る】ワーク

 
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自分を知るための簡単なワークをしてみましょう。
■ノートか用紙を用意する。
■「私は、〇〇です」を書く。
 自分はどんな人なのかを思いつく限り、紙に書きましょう。何でもよいので、たくさん書いてください。
例)私は、女性です。私は、働いています。私は、東京に住んでいます。私は、飛行機に乗るのが嫌いです。私は、一人でいるのが好きです。私は、今むしゃくしゃしています。私は、真面目です……。
■「私は、〇〇です」と書いた紙の中から、下記の※分類表を参考にして、「性格」「価値観」「今の状態、心身の状態」に当てはまるものをピックアップする。
たとえば、「私は、真面目です」は「性格」、「私は、一人でいるのが好きです」は「価値観」、「私は、今むしゃくしゃしています」は「今の状態、心身の状態」というように分類します。

その中で、対人関係や日常生活に影響を及ぼすものが、「性格」「価値観」「今の状態、心身の状態」です。

あなたが書いたワークを見て、確認しましょう。

  • あなたは自分をどんな性格だと書きましたか
  • あなたにとっての価値観は何でしたか
  • あなたの今の状態、心身の状態はどうでしたか

※分類表

自分について(例)わかること
・私は、日本人です。          
・私は、女性です。
・私は、表参道に住んでいます。
・私は、プログラマーでA会社に勤務しています。  
・私は、主婦です。
・私は、北海道出身です。
    ︙
属性
・私は、ロックを聴くのが好きです。
・私は、お菓子を作ることが趣味です。
・私は、オーロラを見たいと思っています。
     ︙
趣味、欲求
・私は、のんびりやです。
・私は、几帳面です。
・私は、人前で発言するのが得意です。
・私は、一人で行動するのはいやです。
    ︙
性格
・私は、調子のよすぎる人が苦手です。
・私は、家庭が大切です。
・私は、正義感がある人が好きです。
    ︙
価値観
・私は、今肩が凝っています。
・私は、明日の朝早く起きられるかどうか心配です。
・私は、仕事に行きたくないなと思っています。
    ︙
今の状態、心身の状態  
上記の表の「価値観」に当たるものが、あなたが持つ価値観です。

ワーク1で書き出した「私は、〇〇です」から、自分がどういう感情や価値観を持っているのかが、わかりましたか?

経験や人との関係が、自分の自己概念と合ったときには、その出来事をすんなり受け容れることができます。

経験や人との関係が、自分の自己概念と一致しないときは、その出来事を受け容れられなくなります。 

 経験と自己概念が一致しないことが続くときに、生活しづらいと感じたり、不満や悩みが増えたりするのです。

「自分を知る」ことができたならば、次にすることは、自分を受け容れることです。

自分を受け容れるには?

ありのままの自分を受け容れることを「自己受容(じこじゅよう)」といいます。

自己受容とは、自分の良いところも自分を否定するところも、そのまま受け容れることです。
自己受容で特に大切なのは、自分が自分を否定することは何かに気づくことです。

自分を受け容れるには、自己受容すること。
自分らしく生きるには、自己受容した上で、価値観を大切にすること。

この2つについて、説明します。

【自己受容】自分の嫌な部分もそのまま受け容れる

自分の良いところは受け容れられますが、自分の嫌な部分は受け容れがたいですよね。
その場合は、否定するのではなく事実だけを受け容れればよいのです。

たとえば、【自分を知る】ワーク1で、「私は、会議で発言するのが苦手です」と書いたとしたならば、「私は会議で発言できなくてだめな人だ」と否定するのではなく、「私は会議で発言するのが苦手なのね~」と受け容れるのです。

否定は、「会議で発言できないダメな自分」というマイナスの要素を自分に植えつけてしまいます。
ダメだという壁を作ってシャットアウトしてしまい、そこからは何の進展もありません。

受容することでどうなるのかというと、次の選択や行動ができるようになります。
たとえば、以下のように選択が広がることもあるでしょう。

・発言するのが苦手なのはなぜなんだろう? それは事前準備をしていないからだよね。他の人はいろいろ考えてくるらしい。私は準備するの面倒なのよね。だから、発言できないんだよなあ。

・発言するのが苦手なのは、注目されると胸がドキドキして、〇〇さんのようにかっこよくテキパキと発言できなくなるから。でも、私は〇〇さんとは違うんだよね。私らしく、ゆっくりでもいいから自分の意見を言えたらいいのかな。

・本当は発言したいけれど、発言するタイミングを見計らっているうちに、先に言いたいことを言われてしまうのよね。それで、いつも何も発言できなくてダメな私って落ち込んでしまう。落ち込むのはいやだから、今度は思いきって手を挙げてみようかな。

自己受容をすると、自己概念が広がっていきます。

「できない」と思っていたことが「できる」ということがわかったり、逆に「できる」と思っていたことが「できない」ということがわかる場合もあります。

「できる」ことが「できない」となるのは、自己概念が狭くなるのでは? と思うかもしれませんが、「できないこともある」ことがわかるため、自己概念は広がるのです。

自己概念が広がると、様々な経験や人との関係を受け容れられるようになり、生きやすくなります。

価値観を大切にする

自分らしく生きるには、自分の価値観を大切にして日常を過ごしていくことです。

自分の価値観で生きることは、他人に振り回されることがない反面、厳しいことでもありますね。
なぜならば、人の意見や社会の評価に左右されず、自分の考えを優先して、自分で決断して日々を過ごすからです。

自分らしい=自分に責任を持ち、進んでいく道を自ら決めていく

自分の人生を自分らしく過ごすためには、自己受容と自分の価値観をしっかり知っておく必要があるのです。

キャリアコンサルタントによるキャリアコンサルティングでは、あなたの価値観を見つけるお手伝いをいたします。また、「なぜその価値観を持つようになったのか」「価値観を実際の生活でどう生かしていけばよいのか」を探っていくご相談などもお受けしています。
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