心に何かがつまっている……
そんなときには、心の中のわだかまりを吐き出してみましょう。
疲れた心を開放したいときに、読みたい絵本です。
『あかい ふうせん』/イエラ・マリ
あかい ふうせん |
■作者/絵 イエラ・マリ
■発行所 株式会社ほるぷ出版
■日本での第1刷 1976年9月
「文字のない絵本」です……だから、いい。
表紙は「緑色」の背景に鮮やかな「赤色」のふうせんの絵という、印象の強い色彩になっています。
ところが、ページをめくると……。
白と黒と赤の世界だけが、広がっていくのです。
文字がないため、絵を見ていくだけです。
あっという間に読み終わってしまいますが、何度も繰り返し絵本を開いてみてください。
開くたびに、新しい言葉があなたの頭の中に浮かんでくるでしょう。
もしかしたら、同じ言葉や感情が繰り返し表れるかもしれません。
それは、その言葉が今のあなたにとって、重要な意味があるとも考えられますね。
イエラ・マリが描く絵は繊細で斬新で、絵と空間のバランスが絶妙にいい。
主人公は赤い物体。この赤をただ追っていくだけでも、動作をいちいち言葉に表して読んでも、「あら、どうしたの?」と問いかけてみても、読み方は自由です。
字のない絵本は、絵が読む人の想像力をかきたてます。
好奇心や想像力が膨らんで、感性が豊かになるといわれています。
ページをめくるたびに、さまざまな見方や考え方ができるでしょう。
心が鎮められるような、繊細な線のタッチが美しい絵本です。
絵本を読んで疲れた心を開放する
例えば、『あかい ふうせん』の最初の見開きを見ながら、「わたしの心から〇〇っていう感情がわきでてきたわ」。
次の見開きを開いたら、「それに、〇〇も〇〇も〇〇も…」というように、ページをめくりながら今の心境を語ってみてください。
あなただけのストーリーをつくってみてくださいね。
あなたの心に、絵本が寄りそってくれますように♥