GW明けの憂鬱/仕事に行きたくない…辞めたいと思ったときの対処法

壁に寄り添っている女性のイラスト

ゴールデンウィークが過ぎたこの時期は、<仕事を続けようか辞めようか>と悩む人が増える、といわれています。

<会社に行きたくない>という気持ちになったり、仕事のことを考えると頭痛や腹痛が起きたり、眠れなくなるなど体に変化が表れたりします。俗にいう、五月病ですね。

こうした症状は、特に、4月に入社した人や異動した人たちに多く出るといわれています。

 
nanami
長い休暇の後は、<会社に行きたくないなぁ…>と思ってしまうことはあるものです。その気持ちが長く続くようでしたら、一人で悩まずに誰かに相談することが大切です。
 

「仕事をしたくない」と思うのは、何らかのストレスがあるからですね。

この記事では、メンタルヘルス(精神面における健康)などの話も交えて、ストレスの要因とその対処法をお伝えします。悩みを相談できる機関なども掲載しておきますので、気になる方は最後までご覧くださいね。

憂鬱になるのはストレス要因に反応しているから

職場や仕事に対するストレスは、気づかないうちに進んでいます。

連休に限らず、休日が終わりに近づくにつれて、「あ~、明日から仕事だぁ~」と何となく気分が落ち込むことは、誰にでもあるでしょう。

ゴールデンウィークのように長期休暇の後は、なおさら落ち込み度が強くなるかもしれません。

楽しかった休日に対して働くことは、体力的にきつかったり、楽しいとはいえないこともあるでしょう。

「サザエさん症候群」(医学的用語ではありません)という言葉を聞いたことがある方、もしくは体感したことがある方はいらっしゃいますか? テレビ番組の「サザエさん」が始まる時刻になると、<学校や会社に行きたくない>と憂鬱な気持ちになることです。

通常は一時の感情で、翌日にはそのような感情は忘れていて学校や会社に向かえます。
「行きたくない」という感情が一過性のものであれば、よくあることで問題はありません。

しかし、五月病のようにその感情がなかなか消えない場合は、ストレスの元を取り除く必要があります。

ストレス反応とは

ストレス反応は、ストレス要因が発生し、そのストレス要因に対応することができなくなるために表れます。

ストレス反応には以下の3つの反応があります。

  • 身体的反応
    例)眠れない、食欲がない、強い疲労感がある、体がだるい、首や肩の凝り、動悸、頭痛、下痢、便秘、めまい……。
  • 心理的反応
    例)何もしたくない、不安になる、焦る、気分が落ち込む、緊張する、集中できない、イライラする、怒りっぽくなる……。
  • 行動反応
    例)遅刻や早退が増える、会社に行けない、人に会いたくない、出かけるのがおっくうになる、仕事でミスが増える……。

ストレスの要因となるもの

ストレス要因は必ずしもストレス反応をもたらすとは限りません。

あるストレス要因が、Aさんにとってはストレスであっても、Bさんにはストレスにはならないという場合もあります。

その人の性格や、興味、労働能力、年齢、学歴、キャリア、職位などさまざまな特性によっても左右されます。

ストレスの要因は複雑にからみ合っている場合もあるため、限定することはできませんが、ここでは、「仕事をしたくない、会社を辞めたい」と思う要因が、職場にあると仮定して話を進めていきます。

職場において、ストレス要因になりやすいものには以下のようなものがあります。

ストレス要因(ストレッサー)具体例
人間関係上司からの低評価、不十分な意思疎通、仲間外れ、孤立化など
役割や環境の変化異動、昇進、転勤、単身赴任、退職、定年など
労働過重長時間労働、夜勤、交代勤務、危険有害労働など
技術革新、合理化技術革新による職務喪失、機械相手の孤独感など
不適切な管理、組織基準の不明確、権限不足、方針の押し付け、命令系統不明など
不十分な労働条件等に対する不満危険有害な機械、作業環境、危険作業など
労働条件等に対する不満賃金、労働時間、病気や事故に対する不安など

このようなストレス要因は、人によって適応能力に違いがあります。
ストレス要因が対処できる能力を超えてしまうと、ストレス反応が起きて体や心や行動に異変が生じるのです。

[会社に行きたくない]と思ったときの対処法

<会社に行きたくない>と思ったときには、早めにストレス要因が何であるのかを知ることが大切です。

軽いストレスであれば、よく推奨されているストレス解消法で気分をリフレッシュさせたりできるでしょう。たとえば、このようなことですね。

ストレス解消法
・適度な運動をする
・太陽の光を浴びる
・好きなものを食べる
・音楽を聴く、歌を歌う
・誰かと話しをする……など

しかし、会社に行けなくなってしまったり、心身に症状が出てしまった場合は、趣味に没頭したり旅行やスポーツをして気分転換をする、ということだけでは症状は改善されません。

食欲がない(身体的反応)から運動をしてお腹がすくようにしようとか、暗い気持ちになる(心理的反応)から楽しい映画を見て笑おうと努力したとします。

そうすることで、一時的には気がまぎれても、根本的な解決にはならないのです。

[ストレス要因を知る]→[しかるべき人や部署に相談する]→[ストレス要因を取り除く]ことが必要となります。

メンタルヘルスが不調になった際には一人で悩まない

ストレス要因を取り除くためにすることは以下のとおりです。

  1. 何が嫌なのか、紙に書き出してみる
  2. 友人や家族、職場の同僚や先輩に相談する
  3. 会社の人事部、外部の相談機関など相談できる窓口に連絡する
  4. 環境を変える

1.何が嫌なのか、紙に書き出してみる

自分でストレスの元を探っていく方法です。嫌なこと、ストレスになっていることは何か、心の中でもやもやしていることをすべて紙に書き出します。

それらが自分で解決できるようであれば、悩みの元を取り除いていきます。
自分でできない場合は、親しい友人や職場の同僚に相談してみましょう。

2.友人や家族、職場の同僚や先輩に相談する

悩みを吐き出すことで、心が軽くなったり改善されるケースはよくあります。
問題を自分一人で抱え込んでいるから苦しいのですね。

悩みを聞いてもらうだけでなく、アドバイスにも耳を傾けてみましょう。
自分では気づかなかった良いヒントを得られたりすることもあります。

ただし、不眠状態が2週間以上続いている場合には、心のメンテナンスが必要です。早めに心療内科などの医療機関を受診するようにしてください。

3.会社の人事部、外部の相談機関など相談できる窓口に連絡する

仕事に支障がある場合は、現状を会社の人事部に連絡しましょう。

企業によっては、メンタルヘルスの知識を備えた管理監督者が置かれているところもあります。また、従業員が常時50人以上いる企業には産業医の設置が義務付けられています。産業医にメンタルヘルスの相談をするのもよいと思います。

会社に言いにくい場合は、外部のキャリアコンサルタントを通して会社と話し合う機会を設けてもらうという方法もあります。

ストレス要因を見つけるには、専門の知識を持った人に話を聞いてもらいながら原因を探っていくとよいですね。

悩みについての相談窓口はこの記事の最期に、一覧を掲載しておきますので参考にしてください。

「転職しよう!!」と決心した方は、以下の記事を参考に行動してみてください。
アメリカの女性理論家ナンシー・K・シュロスバーグさんの「転機を乗り越えるための4S」理論に沿った解決法です。

4.環境を変える

会社側と相談をしながら、今後の進退を考えていきます。

部署異動で様子を見るか、有給休暇を取るか、治療が必要な場合は自宅療養をした後に復帰をするか、会社を辞めるかなどを相談していきます。

腹式呼吸で自律神経を整える

普段の生活では、時折、深呼吸をしてみましょう。

私たちは普段、胸式呼吸をしています。
深呼吸をするときには腹式呼吸を意識して行います。

腹式呼吸をすることで、リラックス効果が得られます。

自律神経は、内臓や血管などの働きを無意識(自律的)に調節してくれる神経です。
自律神経は、臓器や器官の働きを向上させる交感神経と、抑制させる副交感神経の2つ神経系で構成されています。

交感神経と副交感神経のバランス

交感神経は身体を緊張させる
副交感神経は身体をリラックスさせる

ストレスがあるときには交感神経が優位になり、呼吸は浅く速くなっています。
腹式呼吸でゆっくり息を吐き出すと、副交感神経が活性化し心身の緊張がほぐれます。

腹式呼吸のやり方…以下を1日10~20回繰り返します
(はじめは1日に5回ぐらいから。無理をしないでやりましょう)

  1. 鼻からゆっくり息を吸い込みます(お腹が膨らむように)
  2. 口からゆっくりと息を吐き出します(お腹がへこむように、なるべくゆっくり行いましょう)
 
nanami
緊張していたり、不安で体がこわばっているなと感じたときには、腹式呼吸をしてみてくださいね。

心身の支援をする窓口

 
nanami
私たちキャリアコンサルタントは、「ただ、話を聞いてほしい」というご依頼から「私の気持ちを会社に伝えてほしい」といった、ご相談者さまと企業の橋渡しをするご相談なども承っています。

その他、働くことに関する悩み相談を受けつけている支援窓口を、以下に掲載しておきます。
体や心に不調を感じたら一人で悩まずに、なるべく早めに相談することが肝心です。

相談窓口一覧

対応日時・通話料金・その他詳細に関しては、各窓口のホームページからご確認ください。

  1. 労働条件相談「ほっとライン」…電話による相談
    ◆対象者:労働者・使用者
    ・https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/lp/hotline/
  2. こころの耳…電話・SNS・メールによる相談
    ◆対象者:働く方やそのご家族、企業の人事労務担当者の方
    ・[こころの耳電話相談] https://kokoro.mhlw.go.jp/tel-soudan/
    ・[こころの耳SNS相談]  https://kokoro.mhlw.go.jp/sns-soudan/
    ・[こころの耳メール相談]https://kokoro.mhlw.go.jp/mail-soudan/
  3. 総合労働相談コーナー
    ◆各都道府県労働局、全国の労働基準監督署内などの379か所に設置
    ・https://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/soudan.html
  4. 職場のトラブル相談ダイヤル
    ◆社会保険労務士による職場のトラブルの和解解決のあっせん
    ・https://www.shakaihokenroumushi.jp/consult/adr/tabid/581/Default.aspx
  5. みんなの人権相談
    ◆全国各地の法務局の職員や、人権擁護委員による人権に関する相談
    ・https://www.moj.go.jp/JINKEN/index_soudan.html