正しくわかりやすい文章を書くことは、ライターになるための基本のスキルです。
文章を書く際には、読者が必要としている情報を、読む負担を少なくして伝えていくことが大切です。
ライターとして身につけるべき「文章の書き方の基本」をチェックしていきましょう。
文章を書く前に決めておくこと
文章を正しく書くための基本10例
書き上げた文章を見直す方法
この記事を読めば、文章を書くために必要な知識と基本のルールが具体的にわかります。
わかりやすい文章を書くために最初に決めるべきこと
わかりやすい文章とは、伝えたいことが正確に相手に伝わる文です。
書く目的を明確にする
文章は、ただ書き始めればよいわけではありません。
書き始める前の準備が大切です。
準備とは「書く目的を明確にする」ことです。
目的を明確にすることにより、一貫性のある文章を書くことができます。
文章の内容が、「最初とは違う内容で終わってしまった」ということを避けるためですね。
そのほかにも、目的によって書く内容は違ってきます。
何が違ってくるのかというと、主にこのようなことがあります。
【目的によって違ってくるもの】
・伝える内容
・展開
・表現方法
・着地点(落としどころ)
目的が「女性向けのファッション情報」であるのに、論文のように堅い表現の文で書いてあったとしたら、違和感がありますよね。
読者は読む気がなくなって、媒体から離れてしまうかもしれません。
何の準備もなく、いきなり書き始めるのはNGです。
文章を書く前に最低限として、決めておくべきことは以下の3点です。
- 書く目的
- 読者層
- テーマ
仕事を依頼された場合でしたら、これらはクライアントより伝えられます。
もし、伝えられなかったときには、クライアントに必ず確認をしましょう。
自分でブログなどを書く場合にも、最初に書く目的を明確にしてから執筆に取り組むことが大切です。
1.書く目的を決める
書く目的とは、「何のために文章を書くのか」ということです。
▶目的の例
- 情報を伝える
- 商品を売る
- 読者に行動を起こしてもらう
- 記録として残す
目的が違えば、文章の書き方も変わります。
目的の違いによって、書く内容がどのように変わるのかを以下の2つを例に見てましょう。
■目的の違い
Aは「商品を売る」
Bは「記録として残す」
■共通項目 「日本の女性のファッション」
【A】流行りのファッションの 商品を売る |
【B】昭和~令和までのファッションの 歴史を記録として残す |
|
伝える内容 | ・今、流行っているファッション ・画像が主流(ファッションのよさを強調する文) |
・時代ごとのファッションの形態 ・時代背景 |
展開 | メリットを列挙する | 年表形式 |
表現方法 | ・やわらかい表現 (話し言葉も取り入れる) ・おしゃれでキラキラしている感じを出すため、カタカナや英語表記の割合を増やす |
・書き言葉 ・順を追って説明する |
着地点 | 商品を買ってもらう | ファッションの歴史を記録して残す |
「日本の女性のファッション」について書く場合でも、A「商品を売る」、B「記録として残す」のように、目的が違えば書く内容も違ってきます。
2.読者層を決める
誰に向けて書くのかを決めます。
読者を明確にすると、書く内容も表現方法も変わります。
読者層は、年齢・職業・趣味などの共通性によって分けられます。
▶読者の例
■子ども 話し言葉でひらがなを多く使った文章。
■パソコン操作・初心者 パソコンに関する専門用語に加えて、専門用語の意味やたとえも掲載。
3.テーマを決める
テーマとは、文章を書く際の基調となる考えです。
テーマは、最初から最後まで同じでなければいけません。
▶テーマの例
■テーマが「女性のファッションのパンツスタイル」
だとしたならば、書く文章は最後まで「パンツスタイル」についてです。
途中で、「パンツスタイルはカッコいいけれど、スカートもかわいいよね」と、話の内容が変わってしまってはいけません。
書く目的が決まれば、いよいよ執筆です。
文章を書く上で、読みやすい文章構成を考えることが必要です。
文章構成とは、文章を成り立たせるためにいくつかの要素(文章)を組み合わせることです。
「章・節・項」や「起・承・転・結」などがあります。
ここでは、ビジネス文書やブログ記事でよく使われているPREP法(プレップほう)をお伝えしておきます。
▶PREP法
PREP法とは、結論から書き始めて結論に終わるという文章構成です。
「PREP」とは
・Point(結論・要点)
・Reason(理由)
・Example(具体例)
・Point(結論)
の頭文字を取った言葉です。
「結論」→「理由」→「具体例」→「結論」の順で、文章を構成します。
PREP法は結論から始まるので、読者にとって知りたいことがすぐにわかるという利点があります。
ライターに求められるスキルの1つは、読みやすくわかりやすい記事が書けることです。 文章構成がしっかりしていると、文章はぐっとわかりやすくなります。文章構成とは、文章全体が成り立つように、それぞれの文章を適切に組み立てることです。 […]
正しい書き方の基本10
文章を正しく書く、基本の10例を確認しましょう。
- 文体を決める
- 主語・述語の関係性
- 助詞(「てにをは」)を正しく使う
- 一文一義を心がける
- 短文にする
- 句読点を正しく打つ
- あいまいな表現・難しい表現を書き換える
- 表記を統一する
- 同じ言葉の繰り返しを避ける
- 同音異議語に気をつける
①文体を決める
文体とは、文章の様式のことです。
口語体・文語体・和文体・漢文体・書簡体・論文体などがあります。
普段、私たちが使っている口語体について確認していきます。
口語体と文語体については、間違った解釈も多いため気をつけましょう。
口語体とは
現代の話し言葉に基づく文章の形式。話し言葉に基礎をおく書き言葉の文体ともいわれます。
少し、難しいですね。わかりやすくいうと。
今、私たちが生活をしている上で、読んだり書いたりしている文章は、ほぼ、口語体なのです。
口語の文末に用いる表現に、常体(じょうたい)「だ・である体」と、敬体(けいたい)「です・ます体」があります。
■常体(だ・である体)は、簡潔で力強い印象を与えます。
■敬体(です・ます体)は、やさしくていねいな印象を与えます。
文章を書く際には、「話し言葉ではなく、書き言葉で書くように」といわれますね。
基本は書き言葉ですが、書く内容によっては、話し言葉を使う場合もあります。
▶書き言葉
ビジネス文書(業務にあたって作成される文書の総称)、レポート、論文、新聞などで使われます。
▶話し言葉
小説・エッセイ・SNS・ブログなどは、話し言葉が使われています。
以下に、書き言葉/話し言葉の例をいくつか記載します。
書き言葉 | 話し言葉 |
きちんと、正しく | ちゃんと |
やはり | やっぱり |
さらに | もっと |
~のように | ~みたいに |
~や | ~とか |
文語体とは
文章を書くときに用いられる、日常の話し言葉とは異なる独自の言葉。特に、平安時代語を基礎にして独特に発達した書き言葉です。
現代の口語体に対しての候文(そうろうぶん)、擬古文(ぎこぶん)などです。
文語体は、昭和初期頃までは公用文、書簡文などに使われていました。
現代ではほとんど、使われていません。
※論文で使われている「だ・である体」は口語体の1部です。「だ・である体」は常体いもいわれるものですね。文語体ではないので気をつけてください。
文語体の代表に挙げられる小説をご覧ください。
文語体のイメージが、何となくわかっていただけるかと思います。
石炭をば早や積み果てつ。中等室の卓のほとりはいと静にて、熾熱燈の光の晴れがましきも徒なり。今宵は夜毎にこゝに集ひ来る骨牌仲間も「ホテル」に宿りて、舟に残れるは余一人のみなれば。
参考:青空文庫.『舞姫』.森鴎外.
まとめ
文章を書く際に決める文体は、以下の2点です。
1.「常体」か「敬体」か
常体(だ・である体)
敬体(です・ます体)
・常体にしたならば、すべての文は「だ・である体」で書きます。
・敬体にしたならば、全ての文は「です・ます体」で書きます。
※常体と敬体を混合して文章を書くことはしません。
2.「書き言葉」か「話し言葉」か
▶主語とは、文の中で、述語が表す動作や状態などの主体を表します。
「だれが(は)」「何が(は)」にあたる言葉です。
※主語は文の始めだけではなく、途中に置かれることもあります。
▶述語とは、主語に対して、その動作や状態などを述べる部分です。
「どうする」「どんなだ」「なんだ」「ある」にあたる言葉です。
▶日本語の場合、原則として述語は文末にきます。
(「倒置法」のように、述語が先にきて、主語が後ろにくるという例外もあります)
主語・述語の関係性で気をつけること
- 主語と述語を対応させる
主語と述語は一致させます。
文において、主語と述語が対応していない現象を「ねじれ」といいます。
ねじれの例)私の夢はフランスに行きます。
・主語→「夢は」、述語→✖「行きます」
修正した例)私の夢はフランスに行くことです。
・主語→「夢は」、述語→〇「行くことです」 - 主語と述語を近づける
主語と述語を近くに置きます。それ以外の言葉は冒頭に置いたり、別の文にしたりすると読みやすくなります。
主語と述語の位置が遠いと、何を伝えたいのかがわかりにくくなってしまいます。 - 主語を省略しない
日本語は、主語を省いても意味が通じる場合がありますが、原則として主語の省略は行わないようにします。
③助詞(「てにをは」)を正しく使う
助詞のことを「てにをは」と呼んだりします。語句と他の語句をつないだり、関係性を示したりするものです。
私たちは普段、意識せずに「てにをは」を使い分けています。
「私は」「私に」「私を」のオレンジ色の「は」「に」「を」の語を助詞といいます。
書き上げた文章を読んで違和感があったときには、「てにをは」を見直してみることも大切です。「てにをは」が違うと文の意味が変わってしまうからですね。
例を見てみましょう。
B. 私に置いて行った。
C. 私を置いて行った。
・Aは「自分が何かを置いて行った」という意味です。
・Bは「自分に誰かが何かを置いて行った」という意味です。
・Cは「自分を誰かが置いて行った」という意味です。
このように「てにをは」が違うだけで、文の内容は大きく違ってきますね。
助詞は「てにをは」だけではなく、ほかにもあります。
B. 私は、ミルクティーでもいいです。
・Aは「ミルクティーを飲みたい」という気持ちが伝わってきますね。
・Bは「ミルクティーでもほかの飲み物でもよい」感じが伝わってきます。本当は、ミルクティー以外の飲み物がよいのかもしれませんね。
以下に、助詞の一覧表を掲載しておきますので、参考までにご覧ください。
助詞の種類 | 働き | 語 | 例文 |
格助詞 | 体言に付いて、続く用語との関係を示す | が、の、を、に、へ、と、より、から、で等 | ・私がやる ・きみのネクタイ ・弟におやつをあげた |
接続助詞 | 用言や用言に準ずるものに続け、前後の文の意味上の関係を示す | ば、と、ても(でも)、けれど、が、のに、ので、て、から等 | ・金は手に入れたが、信頼は失った ・遊んでいたのに、ママに呼び戻された |
副助詞 | 体言や用語に付いて、その後に副詞的な意味を添える | さえ、まで、ばかり、だけ、ほど、くらい、など、やら等 | ・子どもでさえ知っている ・誰もがうらやましがるほど、ぼくらは幸せだ |
終助詞 | 文の終わりに付いて、感動、命令、疑問、反語などを表す | か(かい)、かしら、ぞ、ぜ、わ、とも、の、や、な等 | ・ついに頂上に着いたのか! ・やったぜ! |
間投助詞 | 文の間や終わりに入って、語勢を整え感動を表す | ね、な、さ等 | ・そんなわけでね、ドーナツを買ったの ・スケートが滑れるのは、あたり前さ。 |
④一文一義を心がける
一文一義(いちぶんいちぎ)とは、「一つの文章の中には、一つの事柄だけを書く」という意味です。
たくさんのことを伝えたいと思うと、一文が長くなってしまいます。
一つの文章の中に、いくつもの内容が盛り込まれていると、何を言いたいのかが読者に伝わりにくくなります。
「一文には一つだけの内容」を意識して書きましょう。
⑤短文にする
一文の長さは、なるべく短くします。
長い文章は、何を伝えたいのかがわかりづらくなります。
一文が長くなる理由の一つに、「~で、~より、~あり、~に」を多用して文を続けてしまうことがあります。
文化庁文化審議会が作成した『「公用文作成の考え方」について(建議)』には、以下のように記されています。
適当な長さは一概に決められないが、50~60 字ほどになってきたら読みにくくなっていないか意識するとよい。SNSを利用した広報などでは、より短くすべきであるとの指摘もある。
一文の文字数は、長くても60字ぐらいと考えましょう。それ以上、長くなる場合には、文を分けて書くようにします。
※まとめて伝えたほうがわかりやすい場合もあります。60字をこえる文があっても大丈夫です。
読者が読みやすく、わかりやすい文を書くことを意識して、臨機応変に対応してください。
⑥句読点を正しく打つ
句読点(くとうてん)とは、文の切れ目や文中の切れ目などを示す記号です。
句読点を打つことで、文章を読みやすくしたり、誤読を避けたり、文章のリズムをよくしたりできます。
■句点(くてん)「。」は、文の終わりを示します。
■読点(とうてん)「、」は、文の切れ目を示したり、文を読みやすくしたりするために、文中に打ちます。
句読点の打ち方
■句点「。」の打ち方
文の終わりに打つ
私は電車に乗りました。
■読点「、」の打ち方
- 長い主語の後ろ
「~は、」「~が、」「~も、」 - 文中の意味の切れ目
「昨日の朝は始発の電車に乗って、浜松町に向かいました。」 - 名詞を並列する語句の間
「トマト、キュウリ、ナス、」 - 誤読を防ぐところ
「母はあわてながら着替えをしている私を呼び止めた。」
↓
▼あわてているのが「母」の場合
「母はあわてながら、着替えをしている私を呼び止めた。」
▼あわてているのが「私」の場合
「母は、あわてながら着替えをしている私を呼び止めた。」 - 漢字やひらがなが続いて読みにくいところ
「雨がやんだ後薄雲の隙間から太陽の光がさしてゆらゆら揺れる水面を照らしていた。」
↓
「雨がやんだ後、薄雲の隙間から太陽の光がさして、ゆらゆら揺れる水面を照らしていた。」 - 文頭に接続詞・副詞・感動詞がきた場合
「しかし、」「もし、」「ああ、」
⑦あいまいな表現・難しい表現を書き換える
あいまいな表現や難しい表現は、読者に、正確にわかりやすく伝わるように書き換えましょう。
あいまいな表現
あいまいな表現は、読者が誤解する恐れがあります。
「すごく、とても、たくさん、もっと、いろいろ、大きい、小さい、狭い、太い」など、あいまいな言葉は便利で、つい使ってしまいますね。
内容を正しく伝えるためには、あいまいな表現を避けて、具体的に書くことが大切です。
あいまいな表現を具体的に表す方法として、以下の3つを心がけましょう。
- 数字で表す
「渋谷駅から徒歩でそこそこ近い」→「渋谷駅から徒歩17分」 - 固有名詞で表す
「いつものところに集合」→「701会議室に集合」 - たとえで表す
「とても大きなネコだった」→「柴犬ぐらいの大きさのネコだった」
「あいまいな表現をまったく使ってはいけない」というわけではありません。
あいまいな表現でも差しさわりがない場合や、あえて言葉をぼかす場合もあります。
具体的に書くことを基本に、。
こそあど言葉
「こそあど」とは、指し示す働きをする語の総称で「指示詞」のことです。
「こそあど」はよく使う言葉ですが、多用すると何を示しているのかが曖昧になります。
必要に応じて使うことは問題ないですが、乱用には気をつけたい言葉です。
こ:これ、この、ここ、こんな
そ:それ、その、そこ、そんな
あ:あれ、あの、あそこ、あんな
ど:どれ、どの、どこ、どんな
難しい表現
難しい言葉や表現は、読者に理解されにくいです。
文中にわからない言葉が頻繁に出てくると、全体の意味がわからなくなります。
難しい表現は、わかりやすい言葉で書きましょう。
▼わかりやすい言葉にする方法
- 読者層を意識した表現にする
文章を書く際には、読者層を設定します。
読者のレベルに沿った言い回しや語句を使います。 - 難しい漢字を多用しない
普段目にしないような難しい漢字はひらがなにしたり、別の言葉を使います。 - 専門用語を乱用しない
一般的に知られていない専門用語は、別の言葉に置き換えます。専門用語を使用する必要がある場合は、注釈をつけます。 - 流行語を使用しない
定着していない流行り言葉は、その意味が伝わりません。一般的に知られている言葉で書くようにします。
⑧表記を統一する
表記を統一するとは、同じ文書や書籍の中で使う語句の表現方法を同一にすることです。
表記を揃えることで、文章全体に統一感が出て読みやすくなります。
たとえば、「出来る」という語句をひらがなの「できる」に統一するのであれば、すべて「できる」を使います。
表記は、企業によって独自のルールを決めているところもあります。
ライティング業を請け負う際に、クライアントに表記統一表の用意があるか、確認を取るとよいでしょう。
表記統一の例
- カタカナ・ひらがな
カタカナで表記するのであれば、全てカタカナで書きます。
例)動物の名前をカタカナ書きに統一する
〇「トラ、ライオン、ペンギン」
✖「トラ、らいおん、ペンギン」←カタカナとひらがなが混在
ひらがなで表記するのであれば、全てひらがなで書きます。
例)花の名前をひらがな書きに統一する
〇「さくら、なでしこ、きく」
✖「サクラ、ナデシコ、きく」←カタカナとひらがなが混在 - 漢字とひらがな
「漢字とひらがな」表記か、「漢字だけ」の表記にするのか。
漢字とひらがな「子ども」⇔ 漢字だけ「子供」、「友だち」⇔「友達」 - 全角・半角
「全角」表記か、「半角」表記にするのか。
全角「7」⇔ 半角「7」、全角「()」⇔ 半角「()」 - 送り仮名
「表れる」⇔「表われる」、「行う」⇔「行なう」
⑨同じ言葉の繰り返しを避ける
同じ言葉が繰り返されていると、違和感があったり、くどいと感じたりします。
- 二重表現を避ける
二重表現とは、同じ意味の言葉を重ねて使うことです。
例)✖あとで後悔する → 〇後悔する または あとで悔いる
「後悔」の意味は「あとになって失敗であったとくやむ」です。
「あと」の意味が入っているため、「あとで後悔する」は二重表現です。
※二重表現を避ける方法は、漢字の意味を調べてみることです。
上記の例でしたら、「後悔」の意味がわかれば「あと」の使い方をどうするべきかがわかりますね。 - 文末表現に変化をつける
文末表現とは、文章の終わりの部分です。
「~です。」「~でした。」「~ます。」「~だ。」「~である。」などがあります。
同じ文末表現を繰り返すと、文章が稚拙に感じたり、単調に感じたりします。
「同じ言葉を使うのは2回まで」と心得ておきましょう。
例)✖上野公園は桜の花が満開でした。公園内は、桜を見る人たちで賑わっていました。夜はライトアップされた桜が幻想的で、昼間とは違った美しさでした。
↓
〇上野公園は桜の花が満開でした。公園内は、桜を見る人たちで賑わっていました。夜はライトアップされた桜が幻想的で、昼間とは違った美しさを醸し出していたのです。
⑩同音異義語に気をつける
同音異義語とは、漢字の熟語の中で、発音が同じであっても文字や意味が異なる語です。
意味が違ってしまうため、気をつけなければいけません。
手書きの場合、漢字がわからなければ辞書を引いて調べますね。パソコンで文章を入力していると、自動的に漢字が出てくるため、そのまま入力してしまう恐れがあります。
あいまいな言葉や知らない言葉をパソコンで変換する際には、必ず辞書を引いて意味を調べるようにしましょう。
以下に間違いやすい同音異義語の一部を掲載します。
読み | 同音異義語 |
いがい | 以外 意外 |
えいせい | 衛星 衛生 |
かくりつ | 確率 確立 |
かんしん | 関心 感心 |
きょうそう | 競争 競走 |
げんかい | 限界 厳戒 |
こうしょう | 口承 口証 |
しゅうりょう | 終了 修了 |
しょうかい | 照会 紹介 |
たいせい | 体制 態勢 |
ほしゅう | 補修 補習 |
ようい | 用意 容易 |
書き上げた文章を見直す
書き終えた文章は、必ず見直しをします。
書き切った達成感で思わず手放したくなるところですが、文章を見直す作業が最も重要です。
語句の誤りを修正したり、文章を練り直すことを「推敲(すいこう)」といいます。
場合によっては、数人の目で文章を読み直すことも必要です。自分とは違った視点で見てもらえる利点があります。
推敲は書き上げた直後ではなく、冷静に読み取るために、時間を置いてからすることが望ましいです。
数日、置いてから見直すこともよくあり、
これを業界用語で「文章(原稿)を寝かせる」といいます。
文章を読み直す方法
- 目で読む
- 声に出して読む
- 紙にプリントして読み直す
以上の3つの方法で、必ず見直しをしましょう。
推敲するポイント
- 誤字脱字をチェック
- 読みやすい文章か
・一文が長すぎないか
・主語と述語が対応しているか
・言い回しがおかしくないか
・句点の位置は適正か(リズム感のある文章か) - 事実確認をする
・人物名は正しか。名前の漢字やスペルの間違いはないか
・地名、固有名詞
・データ、数字、年月日
・参考資料の信頼性
注意すること
”変換ミスや入力ミスに気をつける”
パソコンで文章を書く際に、起きやすいミスといえば「漢字の変換ミス」です。
同音異義語の変換は、ミスが起きやすいため気をつけたい一つです。
自分では正しく変換したつもりでいても、別の漢字を選択している場合があります。
変換をして出てきた漢字をそのまま入力したら、間違っていた漢字だったという場合もありますね。
とくに、推敲するときには、細心の注意をはらって文章を入力をしましょう。
文章校正ツール、誤字脱字チェックツールで確認する
人の目で見直すことと併せて、文章校正ツールや誤字脱字チェックツールを複数使い、何重にも確認をします。
■Wordの文章校正機能
Wordを使って文章を書いているのであれば、「スペル チェックと文章校正オプション」を使ってチェックできます。
▶チェックの仕方
[校閲] タブの [スペル チェックと文章校正] をクリックします。
そのほか、無料でチェックできるツールをご紹介します。
必ず利用規約を読んで、自己責任でご使用ください。
高性能を期待するのでしたら、有料のツールを使うことも検討してもよいですね。
■enno
URL: http://enno.jp/
ennoは、オンライン上で使える誤字脱字チェックツールです。
■日本語校正サポート
URL: https://www.kiji-check.com/
日本語校正サポートは、オンライン上で使える文章校正チェックツールです。
(注意:文章校正ツールで指摘された漢字は、国語辞典で必ず確認を取りましょう。)
■Tomarigi
URL: https://www.pawel.jp/outline_of_tools/tomarigi/
Tomarigiは、青山学院大学「日本語表現方法開発プロジェクト」が製作した文章校正ツールです。 パソコンにインストールするタイプで、通信環境がなくても使えます。
以上が、伝えたいことをわかりやすく、正しく書くための基本の10例です。