キャリアを編み直すために、これまでの経験に意味を与え直し、自分らしい働き方を見つめ直す過程を綴ります。
この記事は、「心に灯をともす、3つの習慣」シリーズの続きです。
前回、「心に余白を取り戻すこと」の大切さについて綴りました。
(>【心に灯をともす、3つの習慣】その1|心に余白を取り戻す)
立ち止まり、少しだけ呼吸を整えたとき──
それまで見えなかったものが、静かに浮かび上がってきます。
そのひとつが、これまで自分が歩んできた道のりでした。
私は長いあいだ、自分のことを
「自分には誇れるようなスキルはない」と思っていました。
何者かにならなければいけない。
でも、自分には何もない。
そんな思いを抱えながら、
どこか焦る気持ちだけを持って、日々を過ごしていたように思います。
ですが今なら、はっきりと言えます。
どんな人の中にも、その人だけの「軌跡」があり、
それは見つめ直すことで、意味を持ち始めるのだと。
キャリアは、ただ新しくつくり上げるだけではなく、
「これまで」を編み直しながら、一歩ずつ自分の形にしていくものでもあるのです。
この記事では、私自身の体験をもとに、
【キャリアを編み直す習慣】について綴ります。
キャリアに迷ったときに大切な「見直し」という視点

子どもの手が離れ、パートタイムからフルタイムで働けるようになったとき。
私は、自分に特別な強みがあるとは思えませんでした。
誰かに誇れるようなスキルもなく、
「このままでいいのだろうか」と、
どこかで思い続けていました。
今振り返ってみると、
それは「何もなかった」のではなく、
ただ「意味づけができていなかった」だけなのだと感じます
私たちは、自分の経験を過小評価してしまいがちです。
でも、本当はその中に、これからにつながるヒントがすでに含まれているのです。
どんな経験にも、価値の種はある
キャリアは、特別な実績や肩書きだけでできているものではありません。
日々の仕事の中で積み重ねてきたこと。
当たり前のようにやってきたこと。
少しだけ興味を持って触れてきたこと。
そうした一つひとつが、
あとから振り返ったときに、「価値」としてつながっていきます。
すぐには意味が見えなくても、
時間をかけて見つめ直すことで、
それらは確かな輪郭を持ちはじめます。
どんな人の中にも、すでに “材料” は揃っているのです。
小さなスキル習得がキャリアの可能性を広げた

大きな転機があったわけではありません。
ほんの小さなきっかけが、流れを変えていきました。
それは、「少しできるようになる」という感覚でした。
きっかけは、パソコンに触れたこと
フルタイムで働ける環境が整ったのは、
事務の現場でもパソコン操作が重要視され始めた頃のことでした。
わたしがまず踏み出した一歩は、派遣会社への登録でした。
派遣会社には、
ExcelやWordを自由に学べる環境があり、
友人と一緒に少しずつ学び始めることにしました。
当時は、まだ操作できる人も多くはなく、
それだけで仕事の幅が少し広がりました。
特別なことではなくても、
「できること」が増えていく感覚は、
自分の中に変化をもたらしていました。
「できること」が増えると、選択肢が増える
ほんの小さなスキルでも、
それが積み重なることで、見える景色は変わっていきます。
選べる仕事が少し増え、できる範囲が少し広がっていくのです。
その積み重ねが、
「自分にもできるかもしれない」という感覚を育ててくれました。
自信は、最初からあるものではなく、
こうした小さな経験の中で、静かに形づくられていくものなのだと思います。
好きなこと・興味からキャリアは動き出す

キャリアを変えるきっかけは、
特別な決断ではなく、
「なんとなく気になる」という小さな感覚でした。
その感覚に、素直に従ってみたことが、
次の流れを生んでいきました。
文章を書くことへの、小さな興味
もともと、文章を書くことにはずっと心惹かれるものがありました。
そこで思い切ってパソコンを準備し、オンラインで文章作成の勉強を始めました。
最初は不安もありましたが、
「やってみたい」という自分の気持ちを信じて動いたことが、
今の確かな一歩へとつながっていったのです。
発信と出会いが、新しい流れをつくる
手探りで一つひとつ調べながら、自分自身のサイトを作り上げました。
その後、友人と共に「働くママを応援するメルマガ」をスタートさせ、
自分の内側にある考えや想いを、言葉にして届けるようになったのです。
さらに、オフ会などへ足を運ぶことで、
それまで接点のなかった方々と出会う機会も、少しずつ増えていきました。
自分の想いを発信すること。
そして、新しい誰かと出会うこと。
そのどちらもが、
少しずつ新しい流れを生み出していったのです。
経験はあとからつながり、キャリアになる

当時は気づいていませんでしたが、
ひとつひとつの行動は、確実に積み重なっていました。
そしてあるとき、それらがつながりはじめました。
点と点がつながった瞬間
学び、発信し、人と出会い、挑戦する。
そうした経験を重ねる中で、
執筆の仕事に応募する機会に恵まれました。
当時お世話になった編集者さんとの出会いを通じて、
私自身も編集の道へと歩みを進めることになったのです。
それまでバラバラだった点が、
ひとつの線としてつながった瞬間でした。
キャリアは「編み直す」ことができる
振り返ってみると、
私がやってきたことは「編集」そのものでした。
経験を並べ、意味を見つけ、
ひとつの流れとして整えていくこと。
キャリアも同じように、
あとから編み直すことができます。
過去は変えられなくても、
その意味は、自分で変えていくことができるのです。
キャリアを編み直すための3つの問い

もし今、キャリアに迷っているなら、
すぐに大きな答えを探す必要はありません。
まずは、小さな問いを、自分に投げかけてみることから始めてみてください。
①何に興味があるか
「少し気になる」「やってみたい」
その小さな感覚を見逃さないこと。
そこに、これからのヒントが隠れています。
②これまで何をしてきたか
日々の積み重ねを書き出してみることで、
自分でも気づいていなかった経験に出会えます。
③どんな形で関わりたいか
無理に大きく変えなくても大丈夫です。
自分にとって心地よい関わり方を見つけることが大切です。
まとめ|キャリアは「これまで」を活かすことで見えてくる
あなたのこれまでにも、
まだ言葉になっていない価値が、きっと眠っています。
立ち止まり、見つめ直し、編み直してきたものは、
少しずつ輪郭を持ちはじめます。
けれど、それはまだ “内側” にあるもの。
本当に大切なのは、
その想いを、自分の言葉で外に手渡していくことなのかもしれません。
次回は、
編み直した想いを、
言葉として紡いでいく過程__
【心に灯をともす、3つの習慣】その3|想いを言葉にする をお届けします。
少しだけ、心をゆるめたいときに。
📖 そっと寄り添ってくれる絵本たちを、
テーマごとに紹介しています。
