『フレデリック』|言葉にならないぬくもりを抱える、秋の静けさにひたる絵本

壁にいろいろな色を塗ったイラスト

秋が深まるころ、言葉にならない感情を抱える日があります。
『フレデリック』は、そんな心の奥にそっと明かりを灯してくれる絵本です。

 
― 大人の絵本棚 ―
 

物語の力を借りて、
読後の心がふっと軽くなる一冊をお届けします。

あなたの心に、やさしい灯がともりますように。

冬を前にした野ねずみたちは、せっせと食べものを集めています。

その中でフレデリックだけは、
みんなとは少し違うものを見つめています。

同じではない行動に、
野ねずみたちは不満を覚えます。

けれど時として、みんなとは違う感性が、
誰かの心を支える
こともあるのかもしれません。

目に見える成果や役割が求められることの多い毎日。
すぐには形にならないものの価値を、見失ってしまうことがあります。

『フレデリック』は、
そんな忘れがちな価値に、そっと目を向けさせてくれる物語です。


何か役に立たなければ、と急いでしまう日があります。

ちゃんとしていない自分を、
責めたくなることもあるかもしれません。

けれどフレデリックは、みんなとは少し違う方法で冬を支えていました。
その姿は、「見えないもの」にも意味があることを静かに教えてくれます。

人の心もまた、数字や結果だけでは測れないことがあります。
疲れた日に思い出す景色や、誰かの一言に救われる夜もあるでしょう。

心が少し冷えてしまったとき、
この絵本の静かな光が寄り添ってくれるでしょう。

📖 書誌情報

『フレデリック』(Frederick

作・絵:レオ・レオニ
訳:谷川 俊太郎
出版社:好学社
初版(日本):1969年/原著初版(アメリカ):1967年
本記事掲載版発行年:1987年
ページ数:32ページ
ISBN:9784769020028
主な受賞歴・評価:1968年コルデコット賞オナー賞受賞。野ねずみたちを通して、芸術の役割の重要性を問いかける作品です。
対象年齢:3~4歳頃から
※対象年齢は目安です。世代を超えて、大人の心にも深く響く一冊です。

📗 この物語が寄り添うとき

こんなときに、そっとひらいてほしい。

・ひとりの時間を心地よく過ごしたいとき
・言葉にならない気持ちを抱えているとき

この物語は、忙しい毎日の中で見過ごしてしまいがちな、心をあたためるものの存在をそっと思い出させてくれます。

絵本たちが、
そっとあなたの心に灯をともしてくれます。

今のあなたに寄り添う一冊が、
見つかっていたらうれしいです。